コーヒーを買う時にフェアトレードのマークってみたことあるけど「なんかいいことしてそう」くらいのイメージで止まっていませんか?
実はフェアトレードコーヒーにはメリットだけじゃなく、知っておきたい問題点もあります。
この記事では、フェアトレードの仕組みをざっくり解説しながら、「高くて続けづらい」「味や品質はピンキリ」「還元先が見えにくい」など、よく言われるポイントをやさしく紹介します。
コーヒー好きが気軽に「へぇ〜」と読める内容なので、深刻に構えずにサクッとチェックしてみてくださいね。
フェアトレードには2種類ある
「フェアトレード」と聞くとひとつの仕組みだと思いがちですが、実は大きく分けて2種類あります。
フェアトレード認証(この記事のテーマ)
国際フェアトレード認証ラベル(マーク)がついた商品。
最低価格の保証や、売上の一部を地域に還元する「プレミアム」など、ルールが世界的にしっかり決まっています。
スーパーやカフェで見かけるマーク付きのコーヒーは、こちらにあたります。

マーク付き=安心できる目印。
独自のフェアトレード(ダイレクトトレードなど)
企業やカフェやロースターが農家と直接やり取りし、公正な価格で買い付ける方法。
認証ラベルはありませんが、顔の見える関係や品質の高さが魅力です。



スーパーの野菜に農家の写真が貼ってる感じ
フェアトレードコーヒーってなに?ざっくり解説


フェアトレードコーヒーって、名前は聞いたことあるけど「実際どういう仕組みなの?」と思う人も多いはず。
ここではコーヒー好きがサクッと理解できるように、簡単にまとめていきます。
この章のトピックス
①フェアトレードの基本ルール
フェアトレードとは、文字どおり「公正な取引」を意味します。
ざっくり言えば、農家さんが安すぎる値段で買い叩かれないように「最低価格」を保証する仕組み。



サービス残業したくないのと同じ感覚・・・。
たとえばコーヒー豆の世界市場価格が暴落しても、フェアトレードに参加していれば「最低限この値段で買ってもらえる」という安心感があります。
ただし、この仕組みに参加できるのは認証を受けた農協や団体だけ。つまり、参加には条件や費用がかかります。



誰でもすぐ参加できるわけじゃないんです。
「公正に売る」というシンプルな考えですが、裏側は思ったより複雑。
②なぜコーヒーでよく聞くのか
「フェアトレード=コーヒー」というイメージ、ありますよね。その理由は、コーヒーが世界的に取引量の大きい商品だからです。



2010年代は石油の次にコーヒーが取引されていました。今でも多め。
コーヒーの生産国は南米やアフリカ、アジアなどの途上国が中心。一方で飲む人は先進国に多く、農家と消費者の間に大きな力の差があります。



農家は“売るしかない”、買う側は“選べる”立場なんです。
コーヒーの価格は国際市場で決まるため、農家の努力やコストとは関係なく、相場が下がれば収入も下がってしまいます。
また、コーヒーは毎日飲む人が多いので「コーヒー=フェアトレードの象徴」として広まったわけです。
コーヒー・紅茶・カカオ(チョコレート)・ハチミツ・砂糖・ワイン・サッカーボール等
③ちょっと特別な価格の仕組み
フェアトレードコーヒーといえば「ちょっと高いな」と感じること、多いですよね。
理由はシンプルで、フェアトレードは「最低価格+地域支援の上乗せ」があるから値段が高くなっています。



スーパーで見ると100円くらい高いことも…。
フェアトレードでは「フェアトレード・ミニマム価格」と呼ばれる最低価格が保証されます。市場価格が下がっても、農家は一定の収入を守れる仕組みです。
さらに「フェアトレード・プレミアム」という上乗せ分があって、これは学校や医療など地域に投資されます。



私たちが払うお金の一部が「地域の未来づくり」に役立つんです。
だから普通のコーヒーより高くなるけど、その分「応援してる実感」が得られるんですね。
消費者から見たフェアトレードコーヒーの問題点5つ


フェアトレードコーヒーの問題点5つを紹介します。
「応援したい気持ちはあるけど、実際どうなの?」と思っている人に向けて、フェアトレードコーヒーの代表的な課題を整理してみました。
①やっぱり高くて買いづらい
フェアトレードコーヒーは普通のコーヒーより100〜200円ほど高いことが多いです。これは「最低価格の保証+地域への還元」が含まれているからです。



フェアトレードのコーヒーを毎日飲むとお財布にキツい…。
コーヒー好きは農家を応援したい気持ちと、家計のバランスで迷いやすいのが現実です。
特に毎日飲む人にとっては、フェアトレードのコーヒー豆を選ぶと月に数千円の差になることもあり、長期的には続けにくさにつながります。
つまり、価格の高さはデメリットでありながらも、同時にフェアトレードの魅力でもあるわけです。
②本当に生産者に届いてるの?
フェアトレードの還元額は消費者からは確認できないのが大きな課題です。ラベルはあっても「どれだけ農家に届くのか」は見えにくいのです。



本当に生産者に届いてるのかギモン。
流通や認証団体を経由するため、実際に農家の収入へどこまで反映されているのかは不透明です。さらに認証維持には費用もかかるので、「高い=そのまま農家に届く」とは限りません。
③味や品質はピンキリ
フェアトレードは価格とルールを保証する仕組みであって、味や品質の保証ではないのが実情です。



高いのに「あれ?この味普通かも」ってなることも。
実際に飲んでみると「すごく美味しい!」と感じる豆もあれば、「ちょっと期待外れ…」と思うこともあります。
値段と美味しさは必ずしも比例しない、それがコーヒーの奥深さ。
つまり、フェアトレード=高品質とは限らないという点も知っておく必要があります。
生産者から見たフェアトレードの課題4つ


■生産者から見たフェアトレードの課題4つ
「生産者を守る仕組み」と聞くと良いことばかりに思えますが、農家の立場で見ると別の課題も見えてきます。
①参加ハードルが高すぎる
フェアトレードに参加できるのは認証を受けた農協や団体だけで、小さな農家が直接参加するのは難しいんです。



資金力のない小さな農家こそ参加できないんですよね。
例えば、家族経営の小さな農園では認証に必要な条件を満たすのが難しい。結果的に、フェアトレードの恩恵を受けられるのは組織化された一部の農家に限られてしまうんです。



本当に助けが必要な農家ほど、仕組みの外に置かれてしまう現実。
「弱い立場を守る」ための制度なのに、守りきれない人が出てしまうのは大きな矛盾ですよね。
②認証維持にお金と手間がかかる
フェアトレードの認証は一度取ったら終わりではなく、維持費や更新費用が毎年かかります。



認証を守るのもお金がかかる。
農家にとっては、せっかく認証を取っても「維持するためのコスト」が重くのしかかります。さらに定期的な審査や書類手続きが必要で、事務作業が苦手な農家には負担が大きいんです。



なんでも申請作業って大変ですよね・・・。
結果として、「フェアトレードの仕組みを守るための努力」が農家にとっては大きなプレッシャーになることもあります。
③必ずしも高収入につながらない
ェアトレードは「最低限の価格を保証する仕組み」であって、「高収入を保証する仕組み」ではありません。



最低限は守ってくれるけど、(外車にバンバン乗り回すような)豊かさまでは保証しない。
市場価格が下がったときにはセーフティネットとして農家を守り、市場価格が上がれば連動して収入が増える仕組みです。
ただし、収穫量の減少や認証維持のコストなどによって、実際の手取りは思ったほど伸びないこともあります。
フェアトレードコーヒーを選ぶメリット3つ


フェアトレードコーヒーを選ぶメリット3つを紹介します。
「ちょっと高いけど、なぜ選ばれるの?」――実は値段以上の価値があるんです。
①農家の生活が安定する
フェアトレードの最大のメリットは『農家の収入が安定すること』つまり、私たちがおいしいコーヒーを飲み続けられるということ。
国際市場の価格はジェットコースターみたいに上下します。暴落すれば農家は一気に生活難に陥ります。
でもフェアトレードなら最低価格が保証されているので、日々の暮らしを守れるんです。



値段が安定しているだけで、心も安定する。
安定した収入があるからこそ、子どもを学校に通わせられたり、医療にアクセスできたりする。これは数字以上の価値ですよね。
②地域の発展につながる
売上の一部が学校や病院の建設など、地域支援に使われるのも大きな魅力です。
例えば「プレミアム」と呼ばれる追加資金。これが道路の整備や教育環境の向上に回す選択をしています。



学校や橋など公共のものから、新しい機材の購入まで使い方は色々。
地域によっては「子どもの教育」を優先するところもあれば、「農業機材の更新」を選ぶところもあります。どちらも「未来をつくる投資」として欠かせない選択です。



お金の使い道を生産者自身が決められる、これがフェアトレードの特徴。
僕が面白いなと思ったのは、「村の水道設備に投資したら、女性が水汲みにかける時間が減って、教育や仕事に参加できるようになった」という話。
こうした“連鎖する効果”は数字だけでは見えにくい部分ですよね。
つまりフェアトレードの価値は「農家の生活安定」だけでなく、「地域の未来を育てる力」にもあるんです。
③飲むだけで社会貢献できる実感
特別なことをしなくても、普段の一杯が農家や地域の支えにつながる。



フェアトレードコーヒーは“飲むだけで社会貢献”しています。
実感が湧きにくくても「飲むだけで貢献できている」という事実は変わりません。毎日のコーヒータイムが、誰かの暮らしを守る力になっているんです。
よくある質問
まとめ|フェアトレードコーヒー問題点と向き合うヒント
ここまでフェアトレードコーヒーの仕組みやメリット・問題点を見てきました。最後に要点を整理してみましょう。
フェアトレードコーヒーの問題点5つ |
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①やっぱり高くて買いづらい |
②味や品質はピンキリ |
③還元先が見えにくい |
④参加ハードルが高すぎる |
⑤仕組みに依存しすぎるリスク |
フェアトレードコーヒーは「農家を守り、地域を支える」大切な仕組みである一方、価格の高さや仕組みの不透明さといった課題もあることが分かりました。
僕自身、スーパーで「ちょっと高いな」と思いながらも、時々は手を伸ばすようにしています。
毎日は無理でも、たまに選ぶことで農家や地域に少しだけ力を届けられる。そんな“無理しない関わり方”もアリだと思うんです。



完璧じゃなくても、できる範囲で応援すればいい。
「毎日じゃなくても、たまにフェアトレードを選ぶ」。その一杯が積み重なるだけで大きな力になるはずです。
せっかくコーヒーを楽しむなら、ちょっと社会や農家のことを思いながら選んでみる。そんな小さな習慣が、世界を少しずつ変えていくんじゃないでしょうか。
▼参考リンク:
フェアトレード・ジャパン 公式サイト
農林水産省 公式サイト
おまけ:フェアトレード認証のコーヒー豆
大手コンビニでは、現時点でフェアトレード認証豆の使用はありません。
カフェの場合も、季節やキャンペーンによって取り扱いが変わるのが実情です。



「今日はフェアトレードの日!」みたいなノリで飲むのもアリ。
ということで、ここでは 普段でも買いやすいフェアトレード認証のコーヒー豆 を紹介します。
ドリップパック:ちょっとした手土産にも最適



個包装のパッケージがオシャレなので、手土産にも◎


【インスタントコーヒー】と気づかない人続出
「マウントハーゲン オーガニック フェアトレード インスタントコーヒー」は、インスタントとは思えないほどの味わいで人気の商品です。



お湯を注ぐだけでフェアトレード。楽すぎる。


ただしお値段は1杯あたり約56円。
一方、無印の500g入りレギュラーコーヒーを自分で淹れた場合は、1杯あたり57円。



インスタントの手軽さ vs レギュラーの満足感。まさに悩みどころ。
どちらもコスパ的には大差なしなので、「楽さ」を取るか「淹れる楽しみ」を取るかで決まりそうです。
普段は自分でドリップ派でも、忙しい朝や職場ではインスタントが最強の選択肢かもしれません。
※無印はフェアトレード認証ではありません


UCCのフェアトレード担当?の【コーヒー豆】
コーヒー業界でも大手のUCCは、実はグループの中にいくつものブランドや関連会社を持っています。
その中でフェアトレード認証コーヒーを専門的に取り扱っているのが 「斎藤コーヒー」。



