キリマンジェロと聞くと、深煎りで、どっしり苦くて、どこか懐かしい。
そんなイメージを思い浮かべる人も多いかもしれません。
でも、サンワコーヒーワークス京都店で出会ったキリマンジェロ 中煎りは、その固定観念を、静かに、でも確実に更新してくれる一杯でした。
コーヒー好き子焦げ感や重さはなく、雑味のない透明感の中に、しっかりと広がるコーヒーの旨み。
「昔からある豆なのに、こんな表情もあったんだ」と、思わず立ち止まって味わいたくなる感覚。
この記事では、実際に飲んだ感想を中心に、京都店ならではの焙煎機の話、そしてデータや味わいの特徴を交えながら、このキリマンジェロ 中煎りの魅力を整理していきます。
【キリマンジェロ 中煎り】を飲んだ感想


キリマンジェロといえば、昔からある深煎りのイメージが強くて、どこか懐かしい“王道のコーヒー”という印象で目新しさがないので自分からは選ばない。



コーヒーにも新しい出会いを求めますよね
でも、サンワコーヒーワークス京都店の中煎りキリマンジェロは、そのイメージをふわっと裏切ってくれる一杯でした。
口に含んだ瞬間、焦げ感や胸やけに繋がるような重さがまったくなくて、かわりにコーヒーの純粋な旨味がぶわっと広がる。



「さっぱりしてるから飲みやすい」というのではなく、うまみ成分タップリって感じ
雑味のない透明なクリア感がそのままキリマンジェロの魅力を支えていて、「あ、これ好き…」と素直に思える飲みやすさ。
ビター系ではあるけれど、昔ながらのガツンとくる苦味ではなく、今の気分に寄り添ってくれるような、軽やかでスッキリしたビター感。



後味まで澄んでいて、最後の一滴がもったいなく感じるコーヒー
キリマンジェロを飲みたいシチュエーション


「昔から知っているはずの味を、静かに更新したい午後。」
久しぶりに会った懐かしい友人と、近況をぽつぽつ話しながら過ごす昼下がり。
昔と変わらないところもあれば、知らなかった一面に、ちょっと刺激をもらう瞬間もある。
会話が一段落したタイミングで、「コーヒー淹れようか」と声をかけて、並んでマグを持つ。
このキリマンジェロ 中煎りは、主張しすぎないのに、ちゃんと印象に残る味。
懐かしい名前なのに、飲むとどこか今っぽくて、すっきりしている。
「これ、美味しいね」
そんな一言を挟みながら、無理に盛り上げなくても、時間が心地よく流れていく。
過去を懐かしみながら、今の自分たちをそっと確かめ合うような午後。
この一杯が、ちょうどいい距離感をつくってくれる。
京都店の焙煎機は、ルクア店とも天満店とも違う。でも“透明感”はちゃんと生きていた。サンワコーヒーワークスの豆。
京都に新店舗ができて、焙煎機も新しくなったと聞いたとき、正直ちょっとワクワクした。
でも同時に、焙煎機が変わると味まで変わってしまうお店が多いから不安のドキドキもありました。



「前のほうが良かったな…」と感じた経験ありますよね。
ミュージシャンで言うなら、新曲を聴いた瞬間にふとよぎる
「……あれ? 昔の曲のほうが好きだったかも」あの、ちょっと切ない感じに近い。



でも、実際に飲んでみると、その不安はすぐに消えました!
ルクア店や天満店とは焙煎機が違うのに、サンワコーヒーワークスの核でもある“透明感”は、ちゃんとそこにある。
それどころか、そのクリアさを土台にして、コーヒーの旨みが、ひとつ上の層として重なっているような印象。



味が変わったというより、旨味が増えた、という言い方がしっくり
たとえるなら、若い頃は「可愛い」で注目されていた女優さんが、経験を重ねて、いつの間にか“演技力”まで身につけてしまった感じ。
もう、無敵。正直、誰にも止められない(笑)
この中煎りキリマンジェロを飲んで、京都に定期的に通う理由が、またひとつ増えたなと思った。
データで見る【キリマンジェロ 中煎り】


| フレーバー | オレンジ・パイナップル・カモミールティー |
| 国 | タンザニア |
| 地域 | – |
| 農園/農家 | – |
| 標高 | – |
| 品種 | – |
| 精製方法 | ウォッシュド |
| 焙煎度 | 中煎り |
| 焙煎者 | SANWA COFFEE WORKS |
| 焙煎機 | フジローヤル |
産地(エリア)
タンザニア/キリマンジャロ周辺
アフリカ最高峰キリマンジャロ山の麓で育つコーヒー。
標高の高さと昼夜の寒暖差が、キリッとした酸と澄んだ味わいを生み出します。
「キリマンジェロ」と「タンザニア」って何が違う?
タンザニアで収穫された豆は「キリマンジェロ」と名乗ることができますが、最近では
北部(キリマンジャロ周辺)の豆を「キリマンジェロ」、
南部エリアの豆を「タンザニア」
と表記するケースが増えています。



タンザニアの面積は日本の2.5倍!そりゃ味も変わるよね
味の傾向としては、
キリマンジェロ表記の豆はコクと透明感のあるビター感、
タンザニア表記の豆はフルーティな印象になりやすいのが特徴です。
精製方法
ウォッシュド(水洗式)
果肉を丁寧に取り除くウォッシュド精製。
雑味が出にくく、キリマンジェロらしいクリーンで透明感のある味わいが際立ちます。
焙煎度
中煎り
深煎りのイメージが強いキリマンジェロを、あえて中煎りに。
苦味に寄りすぎず、旨みとビター感のバランスがちょうどいい仕上がりです。
ロースターの焙煎コメント(要約)
コーヒーの味わいは、生豆の個性 × 焙煎の方向性 で決まります。
キリマンジャロの特徴は、キレのあるシトラス系の酸味と高い透明感。
この豆を中煎りにすることで、その酸味を活かしつつ、後味に渋さや雑味が出にくいポイントを狙って焙煎しています。
ビター感は控えめで、オレンジのような甘酸っぱさが広がる、クリーンな味わい。
アフターにはカモミールを思わせるやさしい渋みが残り、余韻まできれいな仕上がりです。
こんな人に向いてそう
- キリマンジェロ=深煎りのイメージで止まっている人
- ビター系が好きだけど、重いコーヒーは苦手な人
- 雑味のない、クリアなコーヒーが好き
- 食後や午後にもすっと飲める一杯を探している人
ロースター【SANWA COFFEE WORKS(サンワコーヒーワークス)】について
SANWA COFFEE WORKS(サンワコーヒーワークス)は、大阪・天満、梅田ルクア、そして京都に店舗を構えるロースター。



共通して感じるのは、雑味のなさと、どこまでも澄んだ味わい。
派手なフレーバーを前に出すというより、豆そのものの良さを、クリアに、丁寧に伝える焙煎が印象的です。
京都店は新店舗ということもあり、ルクア店・天満店(ラッキー)とは異なる焙煎機(フジローヤル)を使用。
それでも、サンワコーヒーワークスらしい“透明感”はしっかり健在で、むしろ、旨みの層がより立体的に感じられる場面もあります。
「どの店舗で飲んでも、サンワさんらしい」でも、「それぞれに微妙な違いがある」。



地域に愛される系のコーヒーショップです
まとめ
サンワコーヒーワークス京都店のキリマンジェロ 中煎り は、キリマンジェロ=深煎り、という固定イメージをやさしく更新してくれる一杯でした。
焦げ感や重さはなく、雑味のない透明感の中に、しっかりとした旨み。
ビター系ではありながら、昔ながらのガツンとした苦味ではなく、今の気分に合う、軽やかで飲みやすい仕上がりです。
焙煎機がルクア店や天満店と異なる京都店であっても、サンワコーヒーワークスらしい“クリアさ”は健在。
むしろ、キリマンジェロの個性が、より立体的に感じられる印象でした。
キリマンジェロを飲み慣れている人にも、これまであまり選んでこなかった人にも。
「知っているはずの名前」を、もう一度選びたくなるきっかけになるコーヒーだと思います。
